こんにちは、スタッフの松田です。
認知症の治療は、現代の医学を持ってしても、いくつかの稀な場合を除き、完治する方法はありません。
治療やケアによって、進行の速度を遅くしたり、出ている症状を軽減させたりすることを行うのみです。
認知症は、完治をしない病気だからこそ予防が重要になってきます。
そこで、今、認知症予防に効果のあると言われているものをまとめてみました。
【創造的な活動】
* 囲碁や将棋、麻雀、俳句や短歌、手芸、絵を描く、楽器を奏でるなどの頭を使う趣味。
* 日記を書く、料理をする、パソコンを習う、新聞・雑誌を読むなどの日常生活。
ニューヨークのブロンクス地区で5年間に渡って行われた75歳以上の高齢者の追跡調査によると、
日頃から新聞、雑誌をよく読んでいると何もしないで過ごしている人に比べて、アルツハイマー病になる割合は3分の2。
チェスなどの頭を使うゲームをする人、クロスワードパズルを解くのが好きな人たちは皆、何もしない人に比べて
アルツハイマー病にかかりにくく、発症の割合は4分の1に減っていたとの結果がでています。
活発に使った神経細胞が多いと、老化やアルツハイマー病などで働きが悪くなった細胞をカバーできる。
つまり、知能の貯金ができるという事のようです。
また、女性が認知症に掛かる最も多いケースが、料理を手放した時だと言われています。
特に専業主婦の場合、毎日料理をすることで、日頃から脳のトレーニングをしていたという事でしょう。
【運動】
・ウォーキング、水泳、ダンスなど
アルツハイマー病は、アミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が脳に蓄積することで脳機能を低下させると
考えられています。運動すると、アミロイドβを分解する酵素が活性化され、蓄積を防ぐのです。
運動は強いものより、30分程度の軽い有酸素運動を週に2〜3回行う方が良いようです。
【人と交流する】
人と交流することが少ない高齢者ほど認知症を発症しやすいという調査結果もあります。
家族以外の友人とのつきあい、ご近所の方々との交わりなど交友関係を大切にし、積極的に外にでかける生活も
認知症予防に効果があるとの事です。
また、朝の10時までの日光を毎日、片手の甲10分でも当てるといいと書かれている記事もありました。
外に出る事だけで予防になるようですね。
【食事】
福岡県の久山町で全住民を対象に続けられている有名な疫学調査「久山町研究」で、1985年から認知症の有病率と
かかった人の食事や生活の分析が行われています。
その結果、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、淡色野菜、藻類、牛乳・乳製品を多く食べ、また果物・果物ジュース、
イモ類、魚も多く摂り、お酒はあまり飲まない傾向がある方が認知症になりにくい事がわかりました。
また、最近の栄養学の研究によれば、魚に多く含まれる脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)と
EPA(イコサペンタエン酸)には脳の神経細胞が受けるダメージを抑える効果があると言われています。
葉ものや藻類に含まれる「葉酸」も、脳にアルツハイマー病の原因物質・アミロイドβが蓄積するのを抑え、
脳の神経細胞を損傷させるホモシステインを減少させる働きがあるという事です。
【アロマ】
認知症に効果的な香りは、「ローズマリー・カンファー=集中力の向上」「レモン=気持ちの高揚」
「真正ラベンダー=安眠効果」「オレンジ・スウィート=リラックス効果」の4種類の香りを2つずつ組み合わせた
ブレンドアロマだという事です。
昼用は交感神経の活性化を促す「ローズマリー×レモン」、夜用は副交感神経の働きを促す「ラベンダー×オレンジ」を、
それぞれ2:1ずつ配合したものです。それらを、1日中香りをまとうのではなく、午前中(昼)に約2時間、
夜睡眠に入る前から就寝時間の約2時間に嗅ぐと効果的なようです。
TVで話題になってからは、香りのお店に行くとすでに2つを調合してあるものも売っています。
静岡は、認知症予防を誰も言わなかった、平成4年(1992年)に「スリーA」という名前の高齢者
リフレッシュ事業、認知症予防教室を、増田未知子先生が創設した地でもあります。
スリーAとは、「あかるく・あたまを使って・あきらめない」の頭文字「あ」を3つ集めたキーワードで、
認知症を予防する行動を表しているとの事です。今では全国に広まってる「スリーA方式」発祥の地静岡。
今後、認知症発症率が日本一低い地・静岡を目指せたらいいですね。